双極性障害と前頭葉

双極性障害と前頭葉

双極性障害と前頭葉

双極性障害は、精神的な疾患というよりは、脳の機能障害であると言われています。脳のさまざまな部分が双極性障害に関わっていますが、特に関係が深いのは前頭葉という部分でしょう。

 

ここでは、双極性障害と前頭葉について考えてみましょう。

 

前頭葉の役割

双極性障害に限らず、うつ病や適応障害などといった精神疾患でも、前頭葉との深い関係が示唆されています。精神疾患と深い関わりがる前頭葉ですが、具体的にどのような機能を持っているのでしょうか。

 

前頭葉は、脳の司令塔とも言われています。生きていく意欲、そしてその実行というようなことを司っており、ここがうまく働かないと物事に無頓着になり、理解力がなくなってしまいます。やる気が出ないというのは、前頭葉がうまく働かず、ドーパミンの分泌量が少ない状態のことです。

 

逆に前頭葉の血流が増えて、正常に動くようになると、不安やうつ症状が軽くなり、行動しやすくなります。精神疾患の治療薬では、その効果を狙ったような薬も処方されます。

 

前頭葉と双極性障害の関係

では、双極性障害では、この前頭葉はどうなっているのでしょうか。簡単にいうと、双極性障害の躁状態は、前頭葉のドーパミン分泌量が増えている状態、うつ状態というのはドーパミンが少ない状態のことをいいます。

 

前頭葉のドーパミンを増加させるための抗うつ薬は、躁転を引き起こすことが知られており、そのことからも、前頭葉と双極性障害は深い関わりがあるようです。
ドーパミンの神経伝達を止めるような薬も、双極性障害の躁状態の時期では用いられることがあります。

 

双極性障害は、前頭葉のドーパミンの分泌量が多すぎたり、少なかったりと、どちらかに偏ってしまう状態が続く障害なのです。

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