双極性障害と疫学
疫学というのは何かご存知でしょうか。これは、もともとは伝染病の流行について研究する医学の分野のことを指す言葉なのですが、広くには、集団の中での疾病の発生について、さまざまな周囲の環境などとの関係から研究を行う学問の事を言います。
ここでは、双極性障害における疫学についてご紹介していきます。
双極性障害での疫学
前述のとおり、疫学とはもともと伝染病についての研究をする分野のことです。そのため、双極性障害に関する話で「疫学」と聞いても、ピンとこないかもしれません。双極性障害になったとしても、あまり疫学を意識して治療を行うというようなことはないでしょう。
ですが、知らず知らずに私たちはこの疫学に助けられています。
双極性障害における疫学とは、例えば双極性障害にどのようなタイプがあり、それぞれのタイプにかかる人が何%いるかというようなことを研究するものになります。
また、どんな生活を送っている人が、双極性障害を発症するのかというような研究も行われます。
単にデータとして活用できるだけではなく、今後の治療の発展にも貢献しているのです。
疫学でわかること
疫学では、双極性障害が発症する年齢や、男女比、発症する生活環境などを研究しています。
双極性障害は、まだまだ判明していないことの多い精神疾患ですが、特に発症する生活環境や原因が特定できれば、双極性障害になりそうな段階で、予防をすることができるかもしれません。
また、双極性障害になりそうな要因をもつ方々も、病気を発症する前から行動療法などで、病気が発症してしまうのを回避するということも可能になるかもしれません。
このように、単にデータとして使えるというだけではなく、病気の予防や治療にも疫学は密接に関わっているのです。
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