双極性障害と多重人格
双極性障害とは、躁状態とうつ状態という両極端な状態を繰り返す精神疾患です。この2つの症状が両極端であるため、双極性障害の人について多重人格なのではと疑う人もいるでしょう。
ここでは、双極性障害と多重人格について考えてみましょう。
多重人格とは
多重人格というのは、病名ではありませんが、いくつかの全く異なる性格を持ち合わせているような状態を、多重人格と言っている場合が多いでしょう。
多重人格は、医学的には解離性同一性障害といいます。以前は多重人格障害と言われていたため、今でも多重人格という言葉が日常会話では使われることがあります。
この疾患では、1人の人間にいくつかの自我があり、性格もそれぞれ全く異なります。話し方や仕草まで異なるようなものです。
双極性障害と多重人格
双極性障害でも、躁状態とうつ状態の性格が異なるために、周囲から多重人格なのではないかという誤解を受けることがあるかもしれません。
しかし、双極性障害と多重人格という状態は全く性質の異なるものです。
双極性障害というのは気分障害で、つまり気分が変わるために言動が変わるというようなものです。
一方多重人格は、気分が変わっているのではなく、自我が他の人格と入れ替わってしまう疾患です。そして他の人格のときの言動についてはまったく自覚がありませんし、覚えてもいません。双極性障害では、たとえ躁状態からうつ状態に移行したとしても、躁状態のときにしていたことは、きちんと覚えています。
ですから、双極性障害は多重人格というわけではありませんし、この2つは全く異なる精神疾患なのです。
ただし、解離性同一性障害の人が、双極性障害を併発しているという状態ならありえるかもしれません。
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