双極性障害を振り返って
プロフィール: なかむらさん、19歳女性、学生、治療期間2年
大学に入り直ぐのことでした。だんだんと授業から足が遠のき、いろいろなサークルの飲み会に出席するだけの毎日でした。そのうち酒の席ではとても現実的でないことを口走るようになり、人生の細部を彩るかのように次々とアイディアが湧いてきました。自分は歴史上名を残すような人物に違いないと思うようになり訳のわからないことを深夜の街を徘徊しながら突然話を吹っ掛けたりもしました。自分の行動そのものに生きていることを感じ衝動的に生きていました。
ただ、傍から見ると自尊心が肥大しているだけの人間です。何度も口論になりました。ある日のことです。いつものように口論になりました。ただその時は手も出てしまいました。相手にも殴られ気が付いたら病院のベッドの上にいました。その時初めて自分は何をしているのかと思いました。次第に焦燥感がやってきて、頭の中には何か糸屑でも入っているかのようです。思考が全くまとまらなくなりました。このままでは自分の存在すら消えてしまうのではないかと思い病院内でリストカットをしました。
入院をきっかけに私は鬱の症状が出始め医師からは抗うつ剤とリチウムを処方されました。大学は休学し実家で暮らすようになりました。親元で暮らすようになり、私は当初何もできませんでした。一日中天井とにらめっこをし、もう何もかも終わってしまったと思いました。何度も死のうとしましたが死んでしまう気力すら湧かなかったのです。私は睡眠を良くとるよう心掛け薬を飲み続け二か月ほど経過し何とか家事を行えるくらいになりました。今では大学に復学し、失われた時間を取り戻すかのように学生生活を過ごしています。
もし躁の時に少しでも早く治療を受けえていたら自分を深く傷つけずに済んだと思います。こうして現在生きているのは両親が病気になった私をのけ者にせず献身的に支えてくれたおかげだと思い、非常に感謝しています。
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