双極性障害になり、頑張り過ぎていた自分に気付けました

双極性障害になり、頑張り過ぎていた自分に気付けました

双極性障害になり、頑張り過ぎていた自分に気付けました

プロフィール: さちさん、30歳女性、飲食業

 

私が双極性障害と診断されたのは1年半前のことでした。それまでそんな言葉も知らないくらい病気とは無関係の人生でした。

 

きっかけは当時勤めていた飲食店でのことです。新しい店舗をオープンするということで、忙しい毎日を過ごしていました。平均すると1日12時間は仕事をしていたと思います。さらに結婚もしていたので帰宅してからは家のこともやり、寝る時間が2、3時間しかないという日も多々ありました。正社員だったこと、周りの人よりも年上だったことなどで、責任感を強く感じていました。

 

上司は昔堅気の人で、家でも仕事をするのは当たり前、結婚しているから何なんだ、寝る間も惜しんで働けというスタンスの人で、怒ると誰も止められない位こわい人だったので怒られたくないという思いで必死に仕事をしました。

 

ですがやはりそんなわけにもいかず、1日に何度も怒号が鳴り響きます。それを受け、アルバイトに指示をだしますが言うことを聞いてくれません。さらに無茶をいう上司の間に挟まれて、やりきれないという思いになりました。そしてやっと仕事が終わったと思ったら家のことをしなければならない、旦那さんには早く食事にしてくれと言われ一息つく暇もない。そんな日々が続くようになりました。

 

そうすると、いつからか眠れなくなりました。ただでさえ時間がないから早く眠りにつきたいのに、眠たいはずなのにベッドに入っても寝付けないのです。眠れないことは非常に苦痛でした。それから少したつと家のことがおろそかになってきました。やらなくては、やりたいと思ってもできないのです。でもたまに気分のいい日には家事もできるし、眠ることもできました。

 

そんな中、久しぶりに休みがとれて、旦那さんと一緒の休みを過ごしたとき、私は「死にたい」と旦那さんに言いました。自分で言ったのに気付かない位無意識に発した言葉でした。自分でビックリして撤回しました。「私何言ってるんだろう。気にしないで」と言うと、なぜか泣いていました。

 

よくよく聞くと私が死にたいと言ったのははじめてではなく、最近よく口にしていたことを聞かされました。そして私は旦那さんに付き添われ、診療内科を受診することになりました。そこで診断されたのが双極性障害です。

 

私はただただ驚きました。まさか私が?そんなわけないと思い、ショックで頭が真っ白になりました。医師にはきちんとした生活習慣をおくること、睡眠をきちんととること、無理をしないこと、仕事は病気のことを伝え、配慮してもらうことを言われました。

 

当然私の答えはノーでした。こんなときに仕事を休めるわけがありません。それに絶対に上司に怒られると思いました。さらに、その時に旦那さんが転職を考えており、私の収入がなくなったら生活できないという不安もありました。ですがその医師はこう言ってくれました。「まずは命が大切です」と。

 

私はそこでようやく忙しすぎて見失っていたものや、何が一番大切かということを思い出しました。さらに仕事を辞めても全額ではありませんがお金をもらえる制度があることも教えてもらい、収入の面での心配もなくなりました。

 

それからは上司にも病気のことを説明し、退職をすることができました。旦那さんも、一緒に病院に行ったことでよく理解してくれて、家事も手伝ってくれるようになり、できない時はしなくていい、したいと思ったらしてくれればいいと言ってくれました。

 

仕事を辞め、旦那さんも理解してくれたおかげで、今まで背負ってきたあらゆるものから解放されるような気持ちでした。さすがに仕事を辞めてすぐ良くはなりませんでしたが、プレッシャーから解放されたおかげでストレスが減り、薬の効果もあって眠れるようになりました。だんだんと薬がなくても眠れるようになり、それが自信にも繋がりました。今では短時間ですが、働きに行くこともできるようになり克服しました。

 

克服の大きなきっかけはやはり旦那さんの支えだったと思います。今まで頑張って頑張って頑張らないと私は認めてもらえないと心のどこかで思っていたのが、仕事をしなくても、家事ができなくても、それでいいと旦那さんが受け入れてくれたことが何もできなくて苦しい時の私を支えてくれました。

 

今は再発しないように無理をしないこと、頑張り過ぎないことを心がけ、自分のペースで気持ちよく生きることを心がけています。

 

同じように双極性障害に悩んでいる方にはぜひ勇気を持って周りの人の理解を得て、無理をしないで生きてほしいと思います。

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