【双極性障害の体験談】始まりは職場の年下の先輩から

【双極性障害の体験談】始まりは職場の年下の先輩から

【双極性障害の体験談】始まりは職場の年下の先輩から

プロフィール: タクさん、20代後半男性、フリーター

 

症状は普通の人と変わらない程度になりましたが、不安感から未だに定職が厳しいため、フリーターをしています。

 

うつ病というのは、基本的には落ち込んで這い上がるのが難しいと言われていますよね。ですが、僕の場合は落ち込むときとハイテンションになるときの2通りあります。ある時は、家から出たくないほどに消極的で後ろ向き。またある時は家から出て、輝いてる自信のある自分を見てほしいという積極的なものです。

 

精神科医に診てもらったところ、躁うつであり、つまり双極性障害だと診断されました。

 

きっかけは、僕が23歳の頃に当時の職場の先輩A(19歳)だった人の影響です。彼は、当時27歳の先輩Bに強く怒鳴られたり、ときには優しくされたり、不安定な環境の中で仕事をしていました。その先輩は気分次第で態度が変わる人でした。僕が入社して1ヶ月後、先輩Aが職場に遅刻しはじめ、ついには来なくなりました。

 

来ないときはアパートまで車で迎えに行きますが、扉にあるポストから声をかけるも「今日は休みます」と言い、なかなか出てきません。先輩Aが「下にいるから絶対来いよ」と、半ば脅しつつ、車で待機。十数分後にしぶしぶ出てくるといった具合です。

 

後日、本人から「躁うつと診断された」と聞いた先輩Bは、先輩Aを馬鹿にするように笑い「お前そんなに弱いように見えないけどな」と、自分には非が有るとわかっていない様子。その翌週、先輩Aは無断欠勤をし、一切の連絡を断ちました。

 

翌日から、先輩Bの対象は僕になりました。地図を道一本間違えただけで激怒され、しかし機嫌の良い時は仕事を褒められ、また機嫌が悪くなると「お前を殴りそうだ」と言われました。

 

短期間に何度もこの繰り返しだったので、僕は先輩Aのように精神的に追い詰められてしまいました。褒められた時は素直に喜び自信をつけ、脅されたりした時は裏切られた感覚になり、ひどく落ち込みました。

 

双極性障害の典型的な行動・思考を、先輩Bの言動によって作られてしまったように思います。

 

このままだと精神崩壊しかねないので無断で辞めることを決意しました。

 

辞めてすぐ、先輩Bが僕の部屋の扉を思いっきり叩いて「どうした、なんで来ないんだよ」と弱々しい声で職場復帰を求めてきました。僕は怯える動物のように震えながら、布団の中で丸くなって居留守をしました。

 

しかし、この辞める行為が功を奏して双極性障害を1年かけて治すことができました。ただ精神科医には一回行っただけでその後は通わず、処方された薬も飲みませんでした。

 

辞める前は、典型的な症状を繰り返していましたが、今は一定の気持ちで落ち着きつつあります。また、定職に就くために勉強もしています。

 

双極性障害の方は、逃げることも大切だと思います。逃げるのは良くないと思いがちですが、双極性障害になる原因が職場にあるのなら、逃げるが勝ちです。

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