双極性障害(躁うつ病)は完治するか
通常、病気になると治療し医師からの「完治」という言葉を待ちますが、双極性障害の場合には「完治」という言葉はほとんど使われません。それが何故かと言うと、発症のリスクが非常に高い病気であることから「寛解」という言葉が使われます。寛解とは、完治に近い形ではありますが、完治とは異なり、再発に注意する必要があります。
しかし、一度発症してから何十年も、発症したことがないという方もおられます。また、一年の間に何回も再発を繰り返す方もおられることも事実であり、うつ病よりも双極性障害の方が再発のリスクは高いというデータもあります。
再発予防としての薬
長期間に渡る服薬治療は、治療という役割だけではなく、再発予防としての役割も兼ね備えており、勝手な自己判断による服薬の中止は危険です。薬の量が多いことや、副作用、日常生活に支障がある場合は、医師に相談することが求められますが、自己判断では好ましくない結果を引き起こす可能性があります。双極性障害の怖いところは、うつ病よりも、自死の企図が強いという点にあり、再発が命を危険にさらすことさえあります。双極性障害は、自覚が難しい病気であり家族の協力が必要です。家庭環境を調整し、再発のリスクを軽減することや、再発時には医療機関の受診を勧めることが必要です。
社会復帰し、自立した生活を送ることを目標とし、治療していくのですが復帰に焦ることは禁物です。双極性障害という自覚を持ち、無理のないように努めることが大切です。仕事等に復帰し、病前と同じように働こうとすると精神的ストレスがかかり、再発のリスクを高めます。そのため、徐々にできることから始めることが大切です。また、睡眠時間が短くなったり、多弁になったり、金遣いが荒くなった等、変わったことがある時は、医療機関への受診を忘れてはなりません。
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