双極性障害(躁うつ病)とストレングスモデル
病気や障害を抱えたら、それについての理解を深め、治療や薬の服用についても学ばなければなりません。双極性障害を抱えている患者さんにとっても同じことだと思いますが、病気を受け入れることと同時に、病気を抱えたが上に生じる弱さが目立ってしまいます。病気や問題点、弱点について考えていく「病理モデル」というものは以前からありましたが、現在は患者さんのできることや強さに着目して援助を行っていく方法として「ストレングスモデル」も活用されています。
ストレングスモデルとは
ストレングスモデルとはアメリカから伝わった援助技法ですが、障害や疾病と言う絶望的な状態であっても、その人が持つ「ストレングス(強さ)」に着目し、希望を取り戻すことが可能です。マイナスイメージの方が強い、双極性障害ですがその人の持つ強さについて考えてみましょう。例えば、完治はないけど寛解期があるということに着目すると、「一生、症状が治まらない病気ではなく、社会復帰できる(将来に希望がある)」という点、「直接的に死に関わる病気ではない(生きていてくれる)」という点では、希望が持てます。また、その人の持つ人格や家族の存在も、プラスの視点から考えることができます。例えば、「まじめで気の効く性格」、「面会に来てくれる家族の存在」等、小さなことをプラスに考えて前向きに病気と向き合っていく姿勢は、家族や本人にとっても苦痛の少ない援助方法であり、注目されています。
日常生活でも、できないことを見つけるのではなく、できることを見つけて、マイナスの考えからプラスの考えに変えていくことで生活が充実したものになるのではないかと思います。双極性障害になっても、どなたでも自分の長所や、できることはあります。自分にとっての「強み」とは何か。できないことに変えられる何かを見つけていくことで生活の質も高まるのではないかと思います。
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